永住権保持者の入国リスクと不安:トランプ時代の移民政策が入国審査に影響

ふわりと風が吹くように、人生は思いがけず方向を変えることがあります。
私も、以前の政権下ではありましたが、永住権を持ちながら父の病をきっかけに何度も日本に長期帰国していた時期がありました。最初は10ヵ月、その次は8ヵ月、そして最後には父の葬儀のために1ヵ月ほど——。急な知らせに何の準備もないまま帰国を重ねていた頃、だんだんとアメリカ入国時の質問が厳しくなっていったのを覚えています。

その当時、エントリーパーミッション(再入国許可)などの申請は全くしておらず、「なんとかなるだろう」と信じていたのですが、やはり正式な許可があれば少しでも安心だったと、あとになって実感しました。たとえ許可があっても100%の保証ではないとはいえ、あって損はないものです。

また、入国管理やビザ審査については、アメリカではとてもシビアです。特に飲酒運転など、日本では“軽い違反”と捉えられがちなものでも、こちらでは“軽犯罪”として扱われることもあります。こうした背景があるからこそ、今はちょっとした記録でも移民審査に影響を与える時期なのかもしれません。

トランプ政権再来で移民政策はどう変わるのか?

グリーンカード保持者が今知っておくべきリスクと対策

2025年、トランプ政権下では、「犯罪者の移民を排除する」という強いメッセージとともに、移民政策が再び厳格化されつつあります。けれど、その影響は不法滞在者だけにとどまらず、合法的に永住権を保持している私たちグリーンカード保持者にもじわじわと広がってきているのが現実です。

思い返せば、前政権時代にも、私たちのような「法的に滞在している」人々の間にさえ、不安と緊張がひたひたと忍び寄っていました。永住権があっても、「ある日突然、空港で止められるのではないか」「過去の行動が今になって問題視されるのでは」という見えない恐れ。それは、日常生活のなかに静かに、でも確かに存在していました。

実際、ニューハンプシャー州に住むグリーンカード保持者・シュミット氏は、家族訪問のため一時帰国した後、アメリカ再入国時にICE(移民・関税執行局)によって拘束され、信じがたい扱いを受けたと報じられています。彼には犯罪歴もなく、問題を起こした記録もありませんでしたが、「不審人物」とされ、最終的には暴行ともいえる行為まで受けたとのこと。かつて滞在していた州で合法だった行為が、後に連邦レベルで問題視された可能性もあるそうです。

また、抗議活動に参加していたコロンビア大学のカリル氏が「国家の脅威」とされ拘束されるなど、自由な言論が影響するようなケースも現実に起きています。

こうした流れの中で、私自身も思い出すのは、父の病をきっかけに何度か長期的な帰国をした際のこと。最初は10ヵ月、次は8ヵ月、最後には葬儀で1ヵ月ほど帰国した経験があります。そのたびに入国審査での質問が増え、特に準備のない状態での急な帰国だった私は、再入国許可(エントリーパーミッション)などの申請もしておらず、「合法」であっても「安心ではない」ことを痛感しました。

さらに、空港ではスマートフォンの中身やSNSの投稿までチェックされる時代。税金の未納や申告ミス、ちょっとした発言が入国拒否や強制送還の理由になる可能性もあると聞くと、「私たちは一体、何を守ればいいのか?」と考えさせられます。

当時、アジア系や中東系移民へのヘイトクライムも増加していて、私自身、街中で白人至上主義的な言葉を投げかけられた経験もありました。社会の空気が変わると、「合法かどうか」だけでなく、「どう見られているか」「どう行動しているか」が問われる時代へと変わっていくのです。

だからこそ、今この時期に、自分を守るために何ができるのかを、ひとつひとつ丁寧に見直すことが大切です。見えない境界線が私たちの足元に引かれている今、心穏やかに過ごすためにも、リスクを知り、備えることが「にゅうわな強さ」につながると信じています。

過去の軽犯罪でも見逃されない時代に

特に気をつけたいのが、過去に犯した軽犯罪の扱いです。かつては「もう昔のことだし、処罰も終わっているから大丈夫」と思われていたような事案――たとえば飲酒運転(DUI)――が、いまや入国審査やビザ申請時に重大な影響を及ぼすケースが増えています

実際にここ最近、ビザ更新のためにアメリカ大使館・領事館を訪れた日本人の中にも、数年前のDUI歴を理由にビザが却下されたり、発行が大幅に遅延するケースが出ています。中には「10年以上前の違反だったのに、突然再審査の対象になった」という声もあり、これは決して珍しい話ではなくなっています。

こうした流れは、「犯罪歴があるから」といった単純な線引きではなく、“リスクのある人物”とみなされた時点で、移民側の立証責任が問われるようになってきていることを意味します。つまり、「こちらはきちんと生活している」と証明できる書類や証言、弁護士のサポートなどがなければ、空港での入国審査やビザ申請の場面で不利になる可能性も。

しかも、入国時の審査官の裁量が大きくなっている今、同じ条件でも“通される人”と“止められる人”が分かれることもあるのが現実。たとえ一度入国できても、「次も大丈夫」という保証は、もはやない時代に入ってきているのです。

☁️ にゅうわ本音タイム:でもさ、私たちも人間だよね?

たまに思うんです。
アメリカって、「セカンドチャンスの国」ってよく言うけど…それって本当にみんなに平等なんでしょうか?

たとえば移民。
過去にちょっとした軽犯罪や飲酒運転歴があっただけで、何年経っても「犯罪者」として扱われ、入国を拒否されることがある。でも、社会で成功してる一部の人たちは、自分の過ちやトラブルをお金で解決して、また堂々と表舞台に立っている。

それって、ちょっと不公平だなって。

私は10年もアメリカ生活しているし、この国のいいところもいっぱい知ってる。(勿論悪いところも!)でもだからこそ、「人としての過ちに、もう少し優しさや“再出発の余地”があってもいいんじゃないかな…?」って思うんです。

(リアル本音:”自称クリスチャン”なのに、なんで他人には一切セカンドチャンスを与えないの?自分は脱税、ポルノ女優への口止め料、暴言、詐欺まがいのビジネスしても堂々と選挙出るのに??」って、めっちゃ矛盾してるよね。それでいて、「飲酒運転で昔ちょっとやらかした人」は、“犯罪者”として入国拒否とか? どこが公平なんだよ!って話)←静かに読んでください。

“優しさの奥にあるリアルな痛みや経験を、まっすぐ伝える強さ” 声を荒げなくても、ちゃんと伝えたいことはある。静かでも、本音って響くから。– by にゅうわ

自分と大切な人を守るために:知っておきたい備えと行動指針

どれだけ法的に正しい立場であっても、「今の時代、何がきっかけで“危険人物”とみなされるか分からない」そんな空気が移民たちの間に広がっています。だからこそ、大切なのは「恐れに飲み込まれないこと」と「正しい知識と準備を持つこと」。

✅ 日常からできる“静かな備え”
  • 海外渡航前は再入国条件を再確認
    長期滞在になる場合、**Re-entry Permit(再入国許可)**の取得を。帰国理由が急で間に合わなかった場合でも、次回に備えて記録や証明をきちんと残しておくと安心。
  • 記録を整える
    ・納税書類、銀行履歴、雇用証明などの**「アメリカに生活基盤がある」証明**をファイルでまとめておく。
    ・過去の交通違反や軽犯罪の記録がある人は、その後の改善や反省が分かる書面を用意しておくのも有効。
  • SNSと発言には慎重に
    思想や信条の自由があるとはいえ、入国審査時にSNSの発言がチェックされる可能性は増加中。特定の政党批判や抗議活動の投稿が「脅威」と受け取られた事例もあるので、発信は戦略的に。

万が一、拘束されたときにしてはいけないこと・すべきこと

アメリカの入国審査官やICEに拘束された場合、パニックになるのは当然。でもその瞬間こそ「冷静な対応」が命綱になります。

❌ やってはいけないこと
  • ウソをつくこと(たとえ小さなことでも)
    → 嘘が発覚した瞬間に“信用失墜”し、不利な立場に立たされます。
  • 感情的に怒鳴る、相手を非難する
    → 状況を悪化させるだけ。冷静さを失った態度は「不安定」「敵対的」と判断されることも。
  • 自らのスマホを無断で渡す(パスコードを伝える)
    → もしパスワードを要求されたら「弁護士が同席するまで回答を控えたい」と伝えてOK。無理に拒否せず、毅然と静かに主張を。
✅ すべきこと
  • 「私はアメリカ市民ではありませんが、沈黙の権利と弁護士を求めます」とはっきり言う
    → この一言が、自分の立場を守る最初の盾になります。
  • その場でサインを求められても、内容が不明なら決して署名しない
    → 「強制送還同意書」に知らずにサインしてしまうケースが実際にあります。
  • 家族や信頼できる人に拘束されたことを連絡する方法を確保しておく
    → 移民弁護士の連絡先を携帯メモと紙で持っておくと安心。

恐怖より“備える強さ”を!多くの移民弁護士たちも繰り返し伝えています。“備えと知識こそが、静かに自分を守る力になる”と。
それは、知っているかどうかで運命が分かれる「権利」の話なのです。

【ゆらぐ決断】市民権という選択肢。でも、簡単には決められない

永住権を持つ者として、「アメリカ市民になる」という選択肢は、将来の安定や法的保護を考える上では確かに大きな一歩です。特に今のように移民政策が不安定な時期には、身を守る手段の一つとして検討されることも多くなっています。

でも…その一歩が、決して“軽いもの”ではないというのも、また現実です。

日本では基本的に二重国籍が認められておらず、アメリカ市民権を取得するということは、日本国籍を手放すことにつながります(※厳密には制度にグレーな部分もあるけれど…)。その重みは、言葉では言い表せないほどです。

「日本人として生きてきた自分」「ルーツのある場所」との繋がりが、まるで断たれてしまうような感覚…でも、アメリカ市民になることで守れる“明日”があるのも確かです。

だからこそ、決められない。揺れるのは当然だし、どちらかが「正しい」なんて、誰にも言えない。自身の身を守れるのはあなただけなので、正しい判断をしましょう。

まとめ:いま、私たちにできること

トランプ政権の再来とともに、移民政策の厳格化が進む今。
たとえグリーンカード保持者であっても、もはや「合法=安心」とは言えない現実があります。

でも、だからこそ――
情報を持ち、準備をし、そして静かに備えることが、私たちにできる最善の“セルフディフェンス”です。

不安に飲み込まれる前に、
・渡航前の法的リスクを確認する
・スマホやSNSの整理をする
・「もしもの時」に備えた弁護士の連絡先を用意しておく

そんな“小さな一歩”が、自分と大切な人を守る大きな盾になります。市民権取得を検討することも、視野のひとつかもしれません。簡単に決められることではありませんが、自分の未来を自分で選ぶための対話を始める時期に来ているのだと思います。

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